「おまえの父さんはロシアの军人さんだったんだよ。」
椹木雪之丞10才。
これが母の最后の言叶となった。
その言叶はまた、果てしなく続く少年"雪之丞"の旅立ちの合図でもあったのだ。
「父さん、母さん、俺、きっと生きぬいてみせるからね。」
真っ白な雪原に少年の绝叫がいつまでもいつまでも响くのだった。
そして6年。
今は彼の両亲となった格闘技一家の寡黙な一员としての日々があるのみとなった。
ある时はみちのくの旅、またある时は日南の砂浜で一人星を见た。
そしてある时はロサンゼルスの大舞台で血まみれの父にしがみついて见た地狱。
ただ雪之丞の行くところ、どこででも友情が芽生えた。
东京、横浜、そしてロサンゼルス。
强くならざるを得なかった少年はまた、人を爱さずにはいられない
悲运の主人公でもあったのだ。