生徒呼びに海へ 小樽出身の高校教师 陆前高田で不明 再会祈る教え子 家族 (2011/04/07 09:25)
小野寺素子さん
东日本大震灾で壊灭的な被害を受けた岩手県陆前高田市で、生徒を捜しに行ったまま、行方不明になった高校教师がいる。小樽出身で高田高教谕の小野寺素子さん(29)。热血だけど优しかった先生を思い、生徒たちは一日も早い再会を祈っている。
3月11日午後。大津波警报が発令されると、小野寺さんは同僚とともに部活で校内にいた生徒约250人を校舎裏の高台へ急がせた。全员の避难を见届け、小野寺さんが向かったのは、顾问を务める水泳部が练习していた海沿いの屋内プールだった。「部员を避难させなきゃ」。同僚らにそう言い残した。
その直後に津波-。练习していた水泳部员9人のうち6人が死亡し、1人が行方不明に。小野寺さんの安否も确认できていない。
部员にはいつも「自己ベストを上回れ」と热心に指导。好成绩が出ると「顽张ったね」と笑颜で头をぽんぽんとたたいた。救助された水泳部マネジャーの佐々木穂夏さん(16)は、小野寺先生がプールに向かったと後から闻かされ胸が诘まった。「先生にありがとうと一言でも伝えたい。早く见つかってほしい」と涙を浮かべた。
「自分を犠牲にして周囲を大切にする优しい人なんです」。隣の市にある大船渡高教谕で夫の浩诗さん(43)は声を震わせた。若いのにしっかり者で人のために働く姿にひかれ、1年前の3月28日に结婚した。陆前高田市内の新婚の家も津波にのまれ、残ったのは、あの朝、小野寺さんが夫に持たせた弁当箱と校内で见つかった小野寺さんの上着だけ。「素子がどこかに生きているんじゃないかという思いが头の片隅にあるんです」。今も避难所と遗体安置所を回り続けている。
小樽市に住む両亲、毛利奉信(とものぶ)さん(66)、みどりさん(62)も震灾後、何度か陆前高田市に足を运んだ。
奉信さんは元高校教谕。6年前の退职时、同じ道を选んだ娘が手纸をよこした。「まだまだお父さんにはかなわないけど、いつか追いつけるよう顽张るよ」
みどりさんが言った。「素子は教师になってからずっと忙しくしていた。顽张ったことを认めてあげたい。ご苦労さまって」。傍らの父が静かにうなずいた。
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小野寺さんは记者(贝沢)の大学时代の友人だ。下宿も同じ。明るく努力家で、思いやりあふれる「もっちゃん」。宇宙飞行士毛利卫さんのめいにあたる。2年前、メールで近况报告をしあった。「そのうち会おうね」。最後にそう书いた。まだまだ话したいことがある。あの时の约束を果たさせてほしい。(札幌圏部 宇佐美裕次、贝沢贵子)