この宿なしの猫がいくら出しても出しても御台所へ上って来て困りますとい
う。主人は鼻の下の黒い毛を捻りながら吾辈の颜をしばらく眺めておったか、やがてそんなら内へ置くいてやれといったまま奥へ这入りってしまった。主人はあまり口を闻かぬ人と见えた。下女は口惜しそうに吾辈を台所へ抛り出した。主人はあまり口を闻かぬ人と见えた。かくして吾辈はっいにこの家を自分の住家と极める事にしたのである。
吾辈の主人は灭多に吾辈と颜を合わせる事がない。职业は教师だそうだ。学校から帰ると终日书斎に这入ったぎりほとんど出て来る事がない。家のものは大変な勉强家だと思っている。当人も勉强家であるかのごとぐ见せている。